【タイムトラベルあおもり】013.青森市を代表する無形民俗文化財「青森のねぶた」今昔
青森県の様々な時代の歴史と文化を次の世代、未来の豊かな県民文化へと引き継ぐべき存在が文化財です。中でも風俗習慣や民俗芸能などの無形民俗文化財は地域の誇りであり、そこに住む人々が守り、伝えていくものだと思います。そして、青森市の代表的無形民俗文化財といえば、1980年に国指定重要無形民俗文化財となった「青森のねぶた」です。
※「大正時代の跳人」の写真を自動カラー化してみたのがこちらにあります。大正ロマンの香りが漂ってきそうな写真です。
この「青森のねぶた」や「岩木山の登排行事」(お山参詣)、県指定無形民俗文化財「高田獅子(鹿)踊」の衣装等の展示を一度に見ることができる企画展【心踊るあおもり展~民俗行事のなかの衣装と小道具~】(7/15〜8/20、入館無料)が、青森市野沢にある「縄文の学び舎・小牧野館」で開催されています。
今年6月24日に行われた高田ねぶたの模様を紹介した動画やパネルでは、ロウソクをともしたねぶたの様子を見ることができるほか、実際に使用した丸いロウソクも展示されています。
この他、佐藤伝蔵ねぶた名人と鹿内一生ねぶた名人(ともに、昭和40年代から50年代にかけてねぶた名人の称号を受けて活躍)の大型ねぶたの面は、年数が経過しており破損も目立ちますが、かつての名作の実物を見ることができるまたとない機会となっています。
さらに、青森県のタウン誌『あおもり草子』の青森ねぶた関係のバックナンバー、なつかしの跳人浴衣や小道具、ねぶた師秋田覚四郎氏が制作した版画の版木、あるいは昔のねぶた写真を『青森ねぶた全集』(工藤友哉氏作成)や『青森ねぶた誌』(青森市発行)で調べられるコーナーなどもあり、非常に充実した内容となっています。今ではなかなか見られないモノ、そしてその背景にある様々なヒトの想いを感じながら、青森の歴史に改めて興味を持つきっかけとなる展示です。
「縄文の学び舎・小牧野館」は入館無料、8月20日まで開催しています。青森市中心街から少し離れた場所にありますが、多くの方々に見て欲しい企画展です。
◆この記事は、一般社団法人 小牧野遺跡保存活用協議会理事・事業部長の後藤公司さんにご協力いただき作成しました。またこの記事に関連して、【タイムトラベルあおもり】012.青森ねぶた古写真と古書店、 【タイムトラベルあおもり】010.青森ねぶたの伝統って?、 【タイムトラベルあおもり】006.戦前の青森ねぶたの写真を首都圏で発見! 等を併せてお読みください。更に写真家藤巻健二さんから、開幕直前の青森ねぶたの写真をご提供頂きました。◆
(青森まちかど歴史の庵「奏海」の会:青森太郎)