【連載】花田先生のあおもり版画散歩 6
まだまだ寒さが続く2月ですが、立春という季節の変わり目を過ぎたことをふと気付かせてくれる花田先生の作品です。
「2月の奥入瀬」(木版画60.0cmx44.0cm) 日本板画院委員 花田陽悟
2月の厳冬期でしたが、冬晴れの空に誘われるまま道路脇から雪藪の中を滑り降り、この時期の奥入瀬渓流と初めて触れ会いました。
思っていたのとは違って、雪にも暖かさが感じられ、そこにはもう春の気配が漂っていました。
<花田陽悟プロフィール>
日本板画院委員。青森市生まれ。一時期同居していた叔父で洋画家の花田忠吾(1917〜2010年)の影響で幼いころから絵画に親しみ、制作風景を見るのが好きで、絵の具のにおいが好きで、何より絵を描くことが好きだった。
仕事としては青森県の教職員として県立木造高等学校長、県立青森高等学校長等を務め、青森市教育長、青森市助役など要職を歴任。一方、国体のハードル選手として長く青森県記録を保持していた。
40代から版画制作を始め、1988年に日本板画院に初出品、初入選。その後、ニュートン賞や青森県展特選などを受賞。2009年県立郷土館で、2019年には常盤ふるさと資料館あすか(藤崎町)にて花田陽悟展など作品展を開催。青森県の自然を題材にした透明感のある美しい色調の作品が多く、穏やかで温かい人柄そのものの作風が多くの人に愛されている。