【連載】花田先生のあおもり版画散歩 9
鮮やかな“黄色い絨毯”は、見る人を元気にしてくれますね!暑さも感じる季節になりましたが、陸奥湾から吹く爽やかな風も感じる作品です。
「菜の花畑(横浜町)」(木版画 40cm x 56cm) 日本板画院委員 花田陽悟
いまや全国的に名の知れた横浜町の菜の花畑です。菜の花が咲き誇る広大な黄色の世界に魅せられ、二度三度と足を運びました。菜の花は、春のあの青い空と全くのお似合いですが、雨にけむってもまた良しです。この日は遠くに霞む山やシエルエット状の林を脇役とし、しっとりとした黄色の光景を見せてくれました。
<花田陽悟プロフィール>
日本板画院委員。青森市生まれ。一時期同居していた叔父で洋画家の花田忠吾(1917〜2010年)の影響で幼いころから絵画に親しみ、制作風景を見るのが好きで、絵の具のにおいが好きで、何より絵を描くことが好きだった。
仕事としては青森県の教職員として県立木造高等学校長、県立青森高等学校長等を務め、青森市教育長、青森市助役など要職を歴任。一方、国体のハードル選手として長く青森県記録を保持していた。
40代から版画制作を始め、1988年に日本板画院に初出品、初入選。その後、ニュートン賞や青森県展特選などを受賞。2009年県立郷土館で、2019年には常盤ふるさと資料館あすか(藤崎町)にて花田陽悟展など作品展を開催。青森県の自然を題材にした透明感のある美しい色調の作品が多く、穏やかで温かい人柄そのものの作風が多くの人に愛されている。