【連載】花田先生のあおもり版画散歩 7
雪が少なかった青森に、そして東京にも3月になって雪が降るなど、名残雪が春の近さを感じさせる今日この頃。花田先生は、懐かしさを感じる津軽の冬景色を送ってくださいました。
「残冬(つがる市)」 日本板画院委員 花田陽悟
まだ雪が残るつがる市郊外の家屋です。近年なかなか見られなくなった茅葺き屋根ですが、凛とした佇まいで現存する姿に足が止まりました。
このような家屋に接しますと、代々受け継いできたであろう、そこに住む人たちの伝統へのこだわりといったものを感じさせられます。
<花田陽悟プロフィール>
日本板画院委員。青森市生まれ。一時期同居していた叔父で洋画家の花田忠吾(1917〜2010年)の影響で幼いころから絵画に親しみ、制作風景を見るのが好きで、絵の具のにおいが好きで、何より絵を描くことが好きだった。
仕事としては青森県の教職員として県立木造高等学校長、県立青森高等学校長等を務め、青森市教育長、青森市助役など要職を歴任。一方、国体のハードル選手として長く青森県記録を保持していた。
40代から版画制作を始め、1988年に日本板画院に初出品、初入選。その後、ニュートン賞や青森県展特選などを受賞。2009年県立郷土館で、2019年には常盤ふるさと資料館あすか(藤崎町)にて花田陽悟展など作品展を開催。青森県の自然を題材にした透明感のある美しい色調の作品が多く、穏やかで温かい人柄そのものの作風が多くの人に愛されている。