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【あおもりニュース@青森】6/30終了!「ねぶた師とねぶた文化を守ろう!緊急支援のクラウドファンディング」実施中!

 

青森の短い夏を燃え上がらせる「ねぶた祭り」。全国的な知名度も高く、青森の人々にとって無くてはならない心じゃわめぐ(騒ぐ)大切な祭りが、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止されることが、4月に発表されました。その痛手を大きく受けるねぶた師の皆さんの生活を支え、祭り文化を守ろうとクラウドファンディング「コロナ禍で祭中止!青森のねぶた文化を守れ!ねぶた師緊急支援!」が実施中です。支援プロジェクト代表を務める青森公立大学の佐々木てる教授に思いを伺いました。

 

 

◆祭りの主役を作る「ねぶた師」を支えなければ!

 

-なぜ、クラウドファンディングを実施しようと思ったのですか。

佐々木ねぶた祭りの中止は、祭りが現在の形になった1958年以降、初めてのことです。自分にとって大きなショックで、心のよりどころが一つなくなったような感じでした。でも何より、祭りの主役である人形灯籠の「ねぶた」を制作することで生計を立てているねぶた師さんたちを支援しなければいけないと考えました。そこで、青森市内でねぶた文化を伝えようとしている後藤公司さん、新町商店街でねぶたグッズなどを販売されている内藤亘さんと1カ月間、ほぼ毎日相談した結果、5月26日にクラウドファンディングを立ち上げました。

 

楽しみにしていた祭りが中止になったことに信じられない思いを抱えながらも、ねぶたのために何かしたい、ねぶたに関わりたいと思っている人の声もたくさん聞きました。そんな思いの受け皿になれればとも思いました。

 

-「ねぶた師」とは「青森ならでは」の職業ですよね。改めてどんな仕事なのでしょうか。

佐々木:名前の通り、大型ねぶたを作ることで生計を立てている職人さんで、現在は14人で22台のねぶたを作っています。8月頭の祭りに向けて、ほぼ1年かけてねぶたは制作されます。祭りが終わるとすぐ翌年のねぶたの構想を練り始め、11月頃には原画(下絵)が完成。12月頃から自宅などで小さなパーツを作り始め、5月に海沿いの青い海公園にねぶた小屋、ねぶた団地が建てられると、パーツを運び込んで3カ月間、多くの仲間やボランティアさんと一緒に作り上げます。

 

 

◆ねぶたは、人々を結びつけ、絆を生む貴重な地域文化

 

-佐々木教授と大学、ねぶた祭りのつながりについて教えてください。

 

佐々木:そもそもは、僕が9年前に青森に来てからねぶた好きになったということがあります(笑)初めてねぶた祭りを観た時は、規模の大きさ、派手さが衝撃だったし、1週間も祭りが続くなんて不思議でした。僕の出身の東京では考えられません。週末に神輿が出るくらいですから(笑)なぜ1週間も祭りが続くのか。その間、仕事はどうしているのか。気になることがたくさんあって研究心がくすぐられたし、ねぶたを知れば青森市民のことがよくわかると思いました。

 

-確かに、1週間もお祭り騒ぎが続く地域は多くないですね(笑)。研究の結果、見えてきたものは何ですか。

 

佐々木:僕の専門の社会学は、人と人のつながりで社会構造を見ることを趣旨とします。ねぶた祭りは歴史を記したものはありますが、社会学的に掘り下げた資料がありません。そこで、ねぶた祭りを通じて観光産業や地域活性化に役立てることができるのではないかと思い、学生と一緒にねぶた師の皆さんや祭りに関わる方々に聞き取り調査を行い、毎年の年度末には調査報告書にまとめるようになりました。そこで改めて分かったのは、ねぶたは貴重な地域文化であり、人々を結びつけ、絆を産むものとなっているということ。地域社会論という授業でねぶたと地域の関係について全15回の講義をするほか、大学が地域のためにできることとして一般向けの公開講座を10月から6回開催し、ねぶたの関係者の方からお話していただいています。

 

 

◆ねぶた師からの動画メッセージ、ぜひ聞いて!

 

-ねぶた師の皆さんも、プロジェクトに協力してくださっています。

佐々木ねぶた師さんは、地元ではみんなに尊敬されているヒーローです。そのねぶた師さんの暮らしを支えたくて、14人全員にお話してクラウドファンディングを実施する許可をもらい、返礼品もつくっていただけることになりました。ねぶた制作の技法をいかしたグッズ、色紙やねぶたの面などオリジナル作品を返礼品として設定させていただきました。このオリジナル作品制作が、ゆくゆくはねぶた師の方の経済基盤を支える新たな収入源につながればという思いもあります。

 

-最終目標を2500万円としているこのプロジェクト。終了する6月30日午後11時まで残り少なくなりました。

佐々木:それぞれのねぶた師さんに100万円くらいお渡ししたいです。プロジェクト開始後、学生たちとねぶた師さんを一人ずつ訪問し、ねぶたにかける思いなどメッセージを動画で撮影し、プロジェクトサイトの新着情報にアップしているので、ぜひご覧ください。ねぶた師の皆さんは、支援の輪が広がっていることをとても喜んでくださっています。6月20日までに1800万円余が集まりましたが、あと少しです!どうか、応援よろしくお願いします!!

プロジェクトはクラウドファンディングサイト「READYFOR」で、6月30日(火)23:00まで展開中。

(インタビュー:小畑智恵)

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