私の好きなあおもり

【あおもりびと発見!】「かっこいい」より「面白い」を目指して

DANCE WAG代表:沼尾 みやこさん(三沢市出身)

 

2017年12月に第7回公演を行ったDANCE WAGは、県内で活躍する女性11人のジャズダンスチーム。彼女達が主催するダンス公演には毎回多くの来場者が訪れ、地域に賑わいをもたらしています。その創設メンバーであり、現在代表として振付や構成を担当している沼尾みやこさん(三沢市出身)にお話を伺いました。

時折冗談を交えながら、終始笑顔で話す沼尾さん。

ジャズダンスに魅せられて

幼少期からモダンバレエを習っていた沼尾さんは、高校時代に地元三沢で開かれたワークショップに参加したことがきっかけでジャズダンスに出会いました。そこでジャズダンスの良さに魅せられ、十和田市にあった教室に通うようになったそうです。「自分にとってはジャズダンスが一番踊っていて気持ちが良いし、テンションが上がる。」と沼尾さんは熱く語ります。

 

ジャズダンスは性質上、クラシックバレエに似た動きの振りが多く、人口も女性の割合が圧倒的に高いダンス。一般的に目にするテーマパークダンサーや劇団員、アーティストなどのダンスは、ジャズダンスがベースになっていることが多いといいます。単にジャズミュージックに合わせて踊るのではなく、どんな音楽にも合わせて踊ることができる点も魅力の一つです。

 

もっと自分のダンスを磨きたい

高校卒業後に地元就職を決めた沼尾さん。自らのスキルに自信を持ち始めていた頃、縁あって東京で開かれたサマースクール(ダンス合宿)に参加し、そこで自分よりも踊りが上手な子が山ほどいることに愕然としたそうです。「やっぱりもっとダンスをやりたい。やるならレベルの高いところに行かなきゃダメだ。」という強い思いから、家族を説得し、仕事を辞め19歳で東京へダンス修行に出ました。19歳の少女が一人東京へ出るということもあり、家族からの反対もあったといいます。本人にとっては非常に大きな決断だったそうです。

 

上京後は、「これだっ!」という思いで師事した先生のもとで約4年間ジャズダンス漬けの日々を送った沼尾さん。「観客をいかに楽しませるか」を重視する教えに惚れ込んだことで、今のダンススタイルにもその影響が強く染み込んでいるといいます。

 

「東京での4年間は私にとって数十年分の価値がある経験。これがなかったら今の私はありません。」

 

地元が誇るエンターテイメント集団

地元三沢へ帰郷後、沼尾さんは念願のダンススタジオを設立しました。最初は小規模のダンス教室でしたが、発表会を通して少しづつ評判が広まり、生徒の数も増加していったそうです。

 

これまで数々のダンサーを教えてきた沼尾さんですが、そんな中で出会ったメンバーで結成したのが、女性ジャズダンスチームDANCE WAGです。

沼尾さんが構成・演出を手掛けたダンス公演。

 

DANCE WAGは沼尾さんの生徒の中から、ダンスのレベル・キャラクターともに魅力的なメンバーを集めたチームです。「やりたいことをすべてやれる舞台を作りたい」という思いで結成したDANCE WAGは、2003年から不定期でダンス公演を始め、2017年12月の公演が7回目。八戸市公会堂文化ホールで行ったダンスライブ”DOMBA”では、ホール満員の約500人の動員を記録しました。公園にはカップルや家族連れ、年配の方など幅広い世代の観客が訪れ、チケットのキャンセル待ちも相次いだといいます。

 

「かっこいい」より「面白い」と言われたい

DANCE WAGの公演で最も特徴的な点は何といっても”笑い”です。演出を考案する際は、ジャズダンスの自由度の高さを生かして、衣装や音楽などで笑える要素を多く詰め込んでいるのが特徴。そのため、DANCE WAGの公演では、ダンス公演とは思えないほどに観客の笑い声がホールに響き渡ります。

一曲変わるごとに衣装のコンセプトが変化。

見る人を飽きさせない演出がなされている。

公演後には「メンバーが楽しそうに踊っている姿を見て元気をもらった。」という声も多いという。

 

「もちろんかっこいいと言われるのは嬉しい。けどそれ以上に『腹抱えるくらい面白かったね』と言われるような演出にしたい。その方が次に繋がる気がするから。」と沼尾さんは笑顔で語ります。公演の前には、観客の目線で「何をされたら面白いか」を常に考えるようにしているそうです。そういった独自のダンス観は、沼尾さんが培ってきた経験と東京で習った先生からの影響が色濃く反映されている結果と言えます。

 

やりたいことをやっているだけ

全国的にダンスブームが訪れている昨今、県内でも青森市、弘前市をはじめダンス文化が発展しています。南部地区を代表するDANCE WAGは、エンターテイメントという領域で確実に地域を盛り上げている存在の一つです。

 

そういった現状に対し、沼尾さんは「自分たちはただやりたいことをやっているだけ。ダンスを純粋に楽しみ、その良さを多くの人に味わってもらいたい。その結果、自分たちの活動が地域を盛り上げることに繋がるならば、そんな光栄なことはない。」と飄々と受け流します。

 

チームの代表として、講師として、カリスマ的な存在感を放つ沼尾さん。「自分のやりたいことを追い求める姿勢」に、多くの人が引き付けられ、魅了されているのかもしれません。

 

早々に次回の公演が待望視されているDANE WAG。今後の公演については、ネタが降ってき次第考えたいとのこと。地域の人気者は、今日もどこかで笑いの種を探しながら大好きなジャズダンスを踊っていることでしょう。

 

上北地域づくり寺子屋【上北存在感UPプロジェクト】

(坂本 大河)

 


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