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【あおもりびと発見!】不便が人生をハッピーにする!! 科学工房げんしじん

科学工房<げんしじん> 萠出(もだし) 浩 さん

 

東北町で科学実験講座を行っている科学工房<げんしじん>。大人から子どもまで楽しめる工夫を凝らした講座を行っている萠出さんに話を聞きました。

 

仮説実験授業との出会い

幼少時はとにかく近所の自然とたわむれ、ツリーハウスや木を切り倒すなどのいたずらをしてきた萠出さん。元々は歯科技工士をしていましたが、28歳だった昭和62年に仮説実験授業の提唱者である板倉聖宣さんと出会ったことがきっかけとなり、科学教育の道に目覚めます。科学教育手法の一つである仮説実験授業の「物事を見通そうとするとき、仮説を立てて実験するのが有効」という理念に魅せられ、30年に渡って科学教育に携わる決意をしました。

 

地産地消の科学実験

げんしじんでは、主に科学講座・環境講座の開講だけでなく、植樹による環境保全や、楽器作りなどを通じて芸術を楽しむ機会の提供などを手掛けています。「田舎の不便さを逆手にとって、地域の森林を利用した地産地消型の講座」(萠出さん)の中でも、特に好評を得ているのが、平成26年から取り組んでいる「森の保育園」です。

 

この活動は、地元の水喰保育園跡地を活用して、豊かな自然の中で子どもたちの自主性や感受性を育むような体験を提供するものです。たき火体験や、木を利用したブランコ、アスレチック、ベンチ、ツリーハウス作りなど、モノづくりの楽しさや自然への親しみを感じられるものが中心。「将来はここを拠点に、子どもだけでなく大人にも楽しんでもらえる環境にしていきたい」と意気込んでいます。

 

スギ材への想い

また現在は、地域のスギ材を活かした木工や、楽器作りなどを広めることにも取り組んでおり、県内の大学などでのワークショップや科学講座などを行っています。

 

「スギ材は自重も軽く、楽器や構造物に応用しても非常に優れているので、魅力的な素材。チェンソーアートや木工旋盤の加工、楽器作りなどの機会を提供することで、青森のスギ材の素晴らしさ、その可能性を広げたい。その活動を通じて、徐々に植樹や環境に関心を持ってくれる人が増えていることに、やりがいを感じています。」

 

地元の人をもっと取り込みたい

ただ目下の課題は、地元からの参加が思ったように増えないこと。今後は地元の人をもっと取り込んでいきたいそうです。その活動を通じて、県内に残る学生を増やせたら、そしてこうした暮らしに魅力を覚える移住者を呼び込むことにつなげたら、と考えているそうです。

 

「青森県の魅力は、豊かな資源とのんびりとした環境の中で、体ひとつでいろんなことにチャレンジできること。不便かもしれないですが、逆にそういう環境下で創意工夫を凝らすことで、より幸せを感じやすいのだと考えています。不便が人生をハッピーにしているんです!!」

 

ユニークな名前の「げんしじん」の由来を問うと、<原始人>と<原子人>そして<原子塵>の3通りの意味があると答えてくれました。

 

「一つ目は文字通り古代の人やその技術を再現して楽しむという意味。二つ目はすべての根源でるある原子で世の中のことを見る人などの意味。三つ目はこれも文字どおりすべての根源である原子とその破片である塵(チリ)という意味をもたせました」

 

「現在も毎週原子の模型作り講座を開いていて、原子で物事を見つめることの面白さ、重要さを伝えられたらいいなあと思っています。」

 


科学工房<げんしじん>

 

住所:〒039-2654
青森県上北郡東北町塔の沢山404

TEL:0175-63-3790
メール:modashi@khaki.plala.or.jp

 

上北地域寺子屋【上北地域存在感UPプロジェクト】

(工藤敬登、栁沢涼介)

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