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【ココイコあおもり】あおもり再発見の旅④あかつきの会で津軽の家庭料理にしみじみ

東京生活が長い筆者・大川(八戸市出身)が、青森県内の魅力を再発見しようと出掛けた旅のレポート。これまで県南地方が続いてきましたが、第4弾は津軽に行きました。

 

ご自宅を開放!津軽の味を守って伝える

 
弘前を訪れた際には、なんとしてでも訪れたい場所がありました。それは、「津軽あかつきの会」。「郷土のそれぞれの家庭に普通にあった料理を、後世にも繋いでいきたい」という弘前市石川の工藤良子さんを中心に、3年前に発足した地域のお母さんたち約30名のグループです。

「嫁とり料理」「田植え料理」「年越料理」など節目の行事で作られた料理、昔から各家庭に伝わる知恵や技術を共有しながら、地域の集まりや観光で訪れる人のために郷土料理を振る舞っています。

予約をし、お食事をいただくために訪れたのは、なんと工藤さんのご自宅。活動の拠点として開放されています。知恵とお人柄が凝縮された、なんとも美しい笑顔で出迎えてくださいます。

笑顔が素敵な工藤さんとご自宅

 

工藤さんは農家ですが、郷土料理の講習依頼を引き受けるごとに、もっと深く知りたい、料理を教えてほしいという参加者が増え、会ができたそうです。「あかつきの会」と名付けたのは、朝早くに集まるから。農作業や家庭の仕事が始まる前、朝4時に集まって津軽特有の保存食を共有しあうなどの活動をされているそう。頭が下がります。

お昼の予約にあわせて、数日前からだしをとったり保存食を戻したり。この日もメンバー有志が、気持ちよくてきぱきと、時には笑いながら協力しあって用意をされていました。

 

お味噌も「手前味噌」、料理のポイントは「さんごーはち」

 
この会が大切にしているのは「旬の食材」を使うこと。畑にある野菜や、その時の市場に並ぶ津軽の四季折々の食材を使って料理を作ります。この地域ならではの、冬のための保存食も目立ちます。

ゆでほぐした鮫を酢味噌で和える「鮫なます」、津軽郷土料理の代表格の一つ「なすの紫蘇巻き」は味噌を酒で溶いたものをなすと一緒に紫蘇で巻いて油で炒めていました。拝見するとお味噌を使う料理が多いのですが、大豆から畑で作ったものなど手造りの「手前味噌」を各メンバーが持ち寄っていて、料理にあわせて使いこなしていました。

「さんごーはち」という言葉がよく聞こえてきます。「はたはたの飯寿司」は米8麹5塩3の割合で混ぜ、冬のうちに発酵させます。この割合で季節のもの、ニシンやタケノコを漬けるそう。地元の方からすると当たり前のことでも、津軽の文化を知らない者にとっては新鮮です。

 

体にしみわたる、ありがたい食

 
出来上がったお膳には、「津軽の食」が所狭しと並びます。7月25日のお昼御膳。鮫なます、いがメンチ、なすの紫蘇巻きなどの定番津軽料理から、「ささげのあげひたし」「ささげのてんぶ」「みずのたたき」など9種類。これに、季節の最後だという「えんどう豆ごはん」とジャガイモの味噌汁付き。

 

 

津軽の歴史と知恵、そしてお母さんたちの思いが詰まった食は、一つ一つがありがたく、体に染みわたり、体が喜んでいることがわかります。食のありがたみを改めて思いました。

県内各地に、昔からの食、家庭料理が存在しますよね。こんなふうに大切にしていきたいです。県外からの友人に土地の食を食べていただくのも、とても喜ばれると思います。

 

工藤さんと中田さん(左)

 

余談ですが、今回もてなしてくださった中田さんの息子さんは今、東京都渋谷区の参宮橋駅でイタリアンのお店を構えていらっしゃるそうです。イタリアなどで修行したのち、青森県産の食材を活かしたイタリア料理を展開しているシェフ。「お母さんの毎日の料理に影響されて、今がある」と息子さんはおっしゃっているそう!このように「味」「食」が受け継がれるのも素敵ですね。首都圏在住の方はぜひ、お店にもお運びください。

 

●津軽あかつきの会
住所:弘前市石川家岸44−13
電話:0172-49-7002
1食1500円~、要予約(4名以上)

●イルヴィスキオ ( IL VISCHIO )
住所:東京都渋谷区代々木4-6-5 A&U 1F
URL:http://www.il-vischio.com/

(大川朝子)

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