私の好きなあおもり

【ココイコあおもり】あおもり再発見の旅①三沢はパスポートの要らない海外。しかも街中に温泉アリ

東京では空前の青森ブーム(の兆し)。周囲も青森に行ったら大ファンになって勇んで報告してくるし、台湾など海外でも人気。こぎん刺しなど工芸もフィーチャーされているし、地元ガイドによる街歩きも全国イチ盛んだとか、いろいろ聞こえてきます。全国的に、いえ世界的に見ても、青森には他にない独特の自然と文化が存在していて、人々を魅了しています。

東京生活が長く、「出身地のことを聞かれるとオドオドしてしまう」筆者・大川が、青森県内の魅力を再発見すべく、青森の旅に出掛けました。「外から目線で見た青森」を、5回にわたり連載します。

まずは、これまで“未踏の地”だった三沢に向かいました。

 

インターナショナルシティはドルも使える!?

 
三沢。ミサワ。MISAWA。なんか良い響き、異色の香りがする。日米仲良く共存するインターナショナルシティなのも素敵。人口4万人の三沢市は、約6分の1が米軍基地に関わる外国人。そんな町を象徴するかのように、町の中心部にはアメリカンなお店が目立ちます。マクドナルドではドル払いができ、基地ゲート前にある「スカイプラザ」には10種類の通貨に対応した両替センターもあります。

 

「スカイプラザ」は輸入雑貨や輸入食料品が揃うインターナショナルマーケット。食料品など多くのものがビッグサイズで驚きです。

 

夜は三沢の人とはしご酒!

 
三沢を知るには、三沢の人についていくのが一番。毎週木・金・土曜日に開催、県内でも話題のまち歩きガイド「Misawa Night Hoppers」に申し込んで、夜の三沢を飲み歩きしながら案内してもらいました。三沢市内にはアメリカンなバーが約20軒もあり、「Bar Hopping」という夜のバー巡りが人気です。開店は多くが21時。「Misawa Night Hoppers」のメンバーは昼間は仕事を持ちながら、自分たちが楽しむ時間を使って、ゆるく楽しく、仕事や旅行で三沢を訪れた人を案内しているそう。

 

三沢の夜は熱すぎた

 
1軒目は基地前にあるハワイアンバー&レストラン「TUBES」。フライデーナイトのこの日、20時過ぎには早くも「お疲れ様」の一杯を楽しむ外国人で賑わっていました。

 

三沢ならではのカンパイの仕方も教えてくれました。グラスを合わせた後にグラスの底をコンとテーブルを叩くのだそう。米兵さんたちがやっているのを、三沢の若者たちが真似したものだとか。それぞれのお店に名物があり、このお店はカクテルの「マルガリータ」に「コロナビール」を刺した、フローズンカクテル「コロナリータ」がオススメとのこと。

飲みやすい「コロナリータ」

 

 

こんなアメリカなバーを2〜3軒はしごすると、それぞれの雰囲気を楽しめます。一見、自力では入れなさそうに見えますが、チャージがかからないお店がほとんどなので、実は明瞭会計で安心。店主の方も気さくな日本人だったり、次からは自力でいけそうです。

ちなみにお酒を飲んだ後の〆は、ラーメンでも沖縄のようにステーキでもなく、三沢では「カツカレー」だそうです!さらにはこんなにアメリカンなバーが揃っているのに、米軍の人は実は焼き鳥とチューハイが好物だったり。そんな「へ~!」というご当地情報を聞けるのも、地元の方による案内だからこそ。

 

基地を横目に三沢を歩いていると、青森にいることを忘れ、グアムなど海外の町を歩いている心地になるのですが、このツアーでは三沢的な場所にも立ち寄ってくれて、「ギャップ」も楽しい。初めての三沢は、このツアーを利用すれば楽しいこと、好きになること間違いなしです。

 

まちなかは”いい湯”だらけ

 

中心地にありながら天然かけ流しの湯「スパハウスかわむら」

その他にも知らなかった魅力があちこちに。三沢市は温泉施設が12カ所もある温泉天国。街中にある銭湯のような施設がほぼ全て温泉なのです。スカイプラザ近く、深夜まで営業している「スパハウスカワムラ」に行きましたが、お湯がとっても良質でびっくり。ナトリウム塩化温泉のお湯は滑らかで、しっかり疲れが取れました。

料金も250円~350円とお手頃、早朝6時からやっているところが多いのも嬉しいです。ちなみに「星野リゾート 青森屋」の元湯は400円で入れるそうです。同じ星野リゾート系で軽井沢にある「とんぼの湯」はいつも観光客で混んでいて1300円するのですから、なんてお得なんでしょう。

 

 ケンタッキーが進出できない?愛される「から揚げ 人生」

 
三沢の食も魅力的でした。まちなかには、バラ焼きの元祖と言われるお店や「パイカ料理」という豚バラ軟骨を利用したB級グルメを出すお店が並びます。餃子の皮にチーズを包んで揚げた「チーズロール」は米軍のからアドバイスを受けて生まれた日米合作レシピ。その中でも秀逸は、地元から長く愛されるお店「から揚げ 人生」。メニューはから揚げと飲み物のみという潔さです。

 

三沢市民のソウルフードで、開店から多くの人が足繁くテイクアウトしていきます。アメリカ人の心もすっかりキャッチして、こんなにアメリカンな町なのにケンタッキーが進出できなかったのはこのお店があるから、という噂も。

以上、ご紹介したお店、施設は全て歩ける範囲にあり、三沢の中心街は区画整理されているので、道がとてもわかりやすいです。普段は入ることのできない基地内を見学できる三沢市主催によるの月に一度のフライデーツアーも人気。海外に行かなくてもすぐそこに異文化あり、また三沢だからこそのものがあります。海外に行く前に、まずは三沢にふらっと訪れてはいかがでしょうか。

■Misawa Night Hoppers  https://sites.google.com/site/misawanighthoppers/profile

■三沢市内の温泉について http://kite-misawa.com/onsen/ (三沢市観光協会サイト)

(大川朝子)

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