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【ココイコあおもり】001.東京・すみだで津軽を発見!津軽さんぽ@下町にでかけましょう

*【ココイコあおもり】では、意外と知られていない首都圏の「青森スポット」や、青森県内の「ココはオススメ!」といったイチオシの場所をご紹介します。

東京・隅田川の東側に位置する墨田区両国。両国国技館を囲うように相撲部屋が点在、ちゃんこ屋や昔ながらの和菓子屋も多く江戸の庶民文化を色濃く残しています。江戸切子、うすはり硝子などのモノづくりも盛んで、今もなお江戸の「粋」と「技」がたっぷり残る街。

このエリア、実は青森とゆかりがある土地なんです。

津軽藩邸があった場所に建つ「すみだ北斎美術館」

JR両国駅から東へ約10分歩くとひときわ目立つ、スタイリッシュな建物が現れます。2016年11月にオープンした「すみだ北斎美術館」。ゴッホ、モネ、ドビュッシーにも影響を与えた世界的な画家・葛飾北斎は、生涯の大半をこの界隈で過ごしています。生誕ゆかりの地に美術館は建てられたのですが、江戸時代はこの土地一帯が津軽藩のお屋敷、藩邸があったところなんです。

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津軽藩邸に北斎が出入り、相撲の神様を祀る神社も

元禄元年(1688)、弘前藩4代藩主津軽信政の時代より明治4年の廃藩置県に伴う接収まで、この土地に津軽藩の上屋敷(藩主とその家族が住む公邸)がありました。その前までは神田・駿河台下にあったようです。

かの葛飾北斎も関わりがあり、津軽家の依頼で、屋敷内の屏風に馬の絵を描いたといわれています。

津軽藩上屋敷の敷地は、「すみだ北斎美術館」の数軒先にある「野見宿禰神社(のみのすくねじんじゃ)」にも及びます。こちらは「相撲の神様」が祀られた神社として有名で、本場所前には相撲協会の神事も行われる、由緒正しい場所です。

「すみだ北斎美術館」のオープン時には弘前市と墨田区が協力し、美術館前の北斎通りを「弘前ねぷた」が練り歩き、町を彩りました。美術館1階には2016年12月中旬まで扇ねぷたと金魚ネプタが展示され、見学者を魅了していました。

今も津軽とつながる「津軽稲荷神社」

津軽屋敷があったことを思い起こさせるものが、今も残っています。「津軽稲荷神社」です。「すみだ北斎美術館」の東側、錦糸町方面に歩いて7~8分の場所にあります。商業ビルに囲まれて日陰になってしまいひっそりと佇んでいますが、よくよく見るときちんと手入れされ、大切に守られていることがわかります。

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ここは弘前藩の中屋敷(郷土の産物を保管するなど、控えの藩邸)があったところで、守護神として屋敷神(稲荷)に祀られたものがそのままこの土地に残っています。この一帯は本所というエリアなのですが、「本所に過ぎたるものが二つあり、 津軽大名と炭屋塩原」と地元で言い伝えられており、町内の所有となった今も、地元の人に崇敬を受けています。津軽とのつながりも消えることなく、2月の初午祭には、お餅の他に津軽産のリンゴが配られるそうです。

そのほかにも「津軽」があります。江東区亀戸にある亀戸天神社の西側、隅田川の支流沿いにかつて津軽藩の下屋敷もありました。

亀戸天神社の近くにある「長寿寺」は津軽藩邸の名残を残すお寺。弘前藩の東京の菩提寺のひとつということです。幕末に活躍した藩士、西舘孤清(コセイ)のお墓が今もあります。

津軽にゆかりある3つの場所は、なんとか歩いて回れる距離。その途中には江戸切子のカップ&ソーサーでおいしい珈琲を飲めるカフェ「すみだ珈琲」など、お江戸とさんぽを楽しめるスポットもたくさん。東京近辺に住む方も、青森から東京にいらっしゃる方も、”津軽めぐり”をテーマとしたお江戸さんぽにでかけてみてはいかがでしょうか。

(大川朝子)

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【施設Data】

■すみだ北斎美術館
東京都墨田区亀沢2-7-2(JR両国駅から徒歩約10分)
TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
9:30~17:30(入館は閉館の30分前まで)
http://hokusai-museum.jp/

■津軽稲荷神社
東京都墨田区錦糸1-6-12
http://visit-sumida.jp/spot/6158/

■すみだ珈琲
東京都 墨田区太平4-7-11
https://www.facebook.com/sumidacoffee/

 

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