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【あおもりニュース@東京】16日まで、青森県産材を使った箱形ユニット家具「SOMA」展示@東京ビッグサイト

青森県南の森林組合などが東京の団体などとタッグ
“家具以上、建築未満”の半個室で、木の潤いを暮らしに
「インテリアライフスタイル東京」で展示中

都会のマンションに青森県産材で作った“木の空間”で潤いと安らぎをー。青森県南の3森林組合と津軽の木工業者などでつくるプロジェクトチーム「SOMA青い森」が、アカマツなどの県産材を活用した可動式の箱形ユニット家具「SOMA」を開発しました。材木を採取する山を表す「杣=SOMA」を名前に冠した家具を通して、都会の人たちに木の魅力を伝え、県産材の利用拡大をめざそうという取り組みです。14日、東京・有明のビッグサイトで始まったインテリア・デザインの国際見本市「インテリアライフスタイル東京」(16日まで)で、注目を集めています。

アカマツやスギの優しい香りが漂うSOMAは、四方を高さ170センチの壁で囲んだ2畳ほどの半個室空間で、小上がりを2段上がり、扉を開けて入る構造。床下にある収納スペースが、空間が限られがちなマンション暮らしに喜ばれそう。書斎やベッドルーム、子どもの勉強スペースなどの使い方が可能です。

山と森を活用し、未来に「元気な森」を伝え、残そうとの思いでSOMA青い森が発足したのは2015年。八戸市、三八地方、上北の各森林組合、赤穂工務店(八戸市)、風間ファクトリー(同)、木村木品製作所(弘前市)、青森県産業技術センター林業研究所などが参加。都市の木質化に取り組むNPO法人フォレストリンク(東京)が事務局や家具デザインなどを担当、リノベーション事業などを手掛けるアーバンシステム株式会社(同)が参加しています。

この取り組みが実現した大きな理由の一つには、県南地方で育てられている「まっすぐに伸びたアカマツ」の存在があります。アカマツは幹が旋回して成長するイメージが強く、木造建築の梁や柱として使われてきたのに対し、県南地方の森林組合は山や木の手入れをしっかり行うことで、樹高30メートルほどのまっすぐな木を育て、中には樹高50メートルを超える木も。

フォレストリンク代表の白鳥芳洋さんによると、都内ではマンションをリノベーションする事例が増えているものの、可燃性の木材を内装などに使うことは消防法などで制限があるとのこと。そこで、可動式で天井のない空間として「家具以上、建築未満」のSOMAを作ったと言います。アカマツなどの板材を組み立てる造りでエレベーターに乗るサイズにパーツ分解できるので、引っ越しや譲渡にも適応できます。

県南の3森林組合は、今年4月に開校した、校内に県産材を多用した八戸市立西白山台小学校の建築でもタッグを組みました。八戸市森林組合副組合長の田中裕さんは、「県南地域のアカマツは名古屋城の天守閣再建時にも使われていますが、案外、この存在と価値は知られていません。国産材は調湿作用があり、アカマツは使っているうちにゆっくりとアメ色に変化するなど目でも楽しめます。現代のライフスタイルにマッチするオシャレな木製品を作り、アピールしていきたい」と話します。

今後、可動ユニットの箱のバリエーションを増やし、「BOX IN BOX」という新たなコンセプトでバリエーションを展開する予定です。

ブースには、塗装を施した壁面装飾ボードや青森ヒバ製ディスプレイボックスなども展示されています。東京ビッグサイト西ホールのアトリウム、S-50ブースで16日まで展示されています。

(編集部・小畑)

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