私の好きなあおもり

【あおもりびと発見!】高円寺の立ち飲み屋で青森を強烈アピール

ヤマモト食品代表取締役、立ち飲み屋「ほんずなし」オーナー:
山本浩平さん(青森市出身)

店内に一歩入れば「青森気分」

津軽弁の意味を書いたのれん、玄関先に並ぶ「田酒」「白神」「じょっぱり」の一升瓶、入り口近くでにらみを利かせるねぶたの面…。これだけの要素が並べば、赤ちょうちんに書かれた「ほんずなし」の意味を知らずとも、「青森のお店」だと分かる人は多いだろう。

今年4月1日、杉並区高円寺のあづま通りにオープンした立ち飲み屋「ほんずなし」は、「ねぶた漬」「ダイヤ漬」などで知られる青森市の加工食品メーカー「ヤマモト食品」が、初めて都内に出店した飲食店だ。自社製品の他、青森の海産加工品や地酒を立ち飲みスタイルで提供する店内には青森放送のラジオ番組が流れ、昭和29年の青森市内の地図が張られ、都会にいながら青森気分が味わえる。

地域貢献も目指し、飲食店経営にチャレンジ

度々上京して開店準備をしてきた山本浩平社長(36)は、「地元の素材を扱う中間加工業者であり、青森の皆さんに愛していただいている商品を持つ企業として、青森県の価値を高める方向で企業展開し、地域貢献することが責務」と、熱く語る。

昭和10年に昆布巻きや数の子塩辛、佃煮の製造販売を始めた商店は、戦時中の統制経済により廃業。昭和30年代に復興して青森市内の工場で加工食品を作り、数の子やするめ、大根などを醤油で漬けた「ねぶた漬」などのヒット商品を生んできた。

創業から数えて4代目の山本社長は立命館大学から筑波大学大学院で経営工学を学び、東京のコンサルティング会社に勤務。しかし、祖父、父と相次いで他界したことで、2014年から社を率いる立場に。首都圏での経験を生かし、青森県内の社会情勢、経済事情などから社の将来を見据えての飲食店出店でもある。

自分たちの商品を、自分たちで売る

「2代目の祖父がイケイケどんどんな人で、目黒に直営店を出していたことがあります。都内には青森をPRする素晴らしい居酒屋がたくさんありますが、青森に軸足を置く地元企業こそが、東京、大阪など大都市圏に出店し、自分たちの商品を自分たちで売らなければいけない」と、出店した理由を話す。杉並区を選んだのは、会社員時代に住んだ経験から住む人たちや街の雰囲気を知っていたことも大きいという。

「間抜けな、浅はかな」といった意味を表す「ほんずなし」という津軽弁を店名にしたことも、「酔っぱらって気分良くなって、翌日、明るく“ほんずなし”と呼ばれるくらい楽しいお店にしたい。“ほんずなし”をポジティブな言い方と捉えてもらえるよう方言の意味をリファインする(上質のものを目指して作り直す)のも、地元企業がやるべきこと」と山本社長。単なるウケ狙いではなく、深い意味があったのだ。

“実験の場”であり、同業他社とのコラボも

6月18日の「父の日」まで、「お父さん」を連れて来た人、グループがクーポンを提示することでドリンク1杯が無料になる「とっちゃの日」イベントを開催中だ。

25人ほどで一杯になる同店は、新商品の反応を知る“実験の場”であり、同業他社のモニタリングの場としても位置づけている。「地元企業のいいものを首都圏でいち早く紹介したり、青森への思いを持って商品開発している業者さんとコラボして『青森の新しいおいしいもの』が食べられるお店、というポジションになりたい」と意気込んでいる。

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【お店Date】

立ち飲み屋「ほんずなし」
〒166-0002
東京都杉並区高円寺北2-17-4(JR高円寺駅北口から徒歩約3分)
TEL 03-6383-0974
営業時間:15:00〜23:00
http://www.honz74.com/
https://www.facebook.com/honz74/

(編集部・小畑)

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