【ナニコレあおもり】005.キリストのお墓の周りで盆踊り? 新郷村「キリスト祭」初参戦レポ
青森県南部に位置する新郷村。
人口は約2600人の、緑豊かでのどかな村です。
その新郷村で、なんとも奇怪なお祭りがあるというので行ってきました。
その名も「キリスト祭」。毎年、6月の第一日曜日に開催されます。
実はもう54回目っていう・・・!!なかなか歴史あるお祭りですね。
イエスだしキリストだし、なんとなく勝手にパーリナイみたいなのを想像していたんですが、前日にある重大事項に気付きました。
よーくみると、ここに「慰霊祭」って書いてあるんですよ。
「慰霊祭・・・?はて・・・?」と思いましたが、とりあえず朝8時半に八戸を出発して新郷村へ向かいました。
<ここで、新郷村のキリスト伝説についてすこし解説>
ゴルゴダの丘で磔刑に処されたのは実は弟のイスキリで、キリストは密かに日本にわたり八戸港に流れ着き、新郷村にやってきた。昭和10年、茨城県で古文書が見つかり、その事実が明らかになりました。昭和11年にはキリストの遺書も見つかっているそうです。村では、この地で亡くなったキリストを慰霊しようと昭和39年からキリスト祭を開催。キリストの墓のある地域は戸来(へらい)といい、これは「ヘブライ」に由来するという説、子どもが生まれて初めて外出するときには額に十字を書く習慣があったとか、父をアヤ、ダダ、母をアパ、ガガと呼ぶこと、ダビデの星が家紋の家があるなど、キリストを彷彿とさせる伝説がいくつも残っているそうです。うーん。何とも不思議な。
さて、無事に新郷村にたどりつきました。
午前10時。ひんやりとした空気のなか、キリスト祭は開会しました。
慰霊祭だからなのか、 来賓多数です。超厳粛ムードです。パーリナイどころではありません。
式次第まで配られました。
祝詞奏上、玉串奉奠と続き・・・伝統芸能の奉納です。
まずは田中獅子舞保存会さんによる舞が披露されました。
静まり返った空気の中、キリストの森に淡々と響くお囃子。
最後はいよいよ一番の見どころナニャドヤラの奉納です。ポスターになってるあのシーンがいよいよ繰り広げられるのです。
ナニャドヤラとは、青森県南から岩手県北地域に伝わる盆踊りです。地域によって違いがあり、見ているとカナリ面白いです。
しかし人だかりがすごすぎて、まったく墓に近づけません・・・
慌ててポジションを変えて、下から見上げることには成功しました。
ちょっとわかりにくいんですが・・・赤丸で囲んだものがキリストのお墓の十字架です。キリストのお墓はしっかり柵で囲われています
新郷村にいる民謡日本チャンプのおばちゃんが高らかに「ナニャ~ドヤ~ラ~」と歌います。
15分ばかり舞って、最後に参加者全員でリンゴジュースで乾杯して慰霊祭は終了。
キリストなのに神事でいいんだろうか?という素朴な疑問もわきました。が、異国の地に眠ったキリストを、昭和の頃から54回も慰霊し続ける新郷村のみなさんの温かさを感じられるお祭りだと思いました。人が人を思う気持ちに国境とか宗教とか関係ありませんよね!!
体は冷え冷えだったんだけどなぜか心はほっこり。そんな心持ちで慰霊祭を後にしました。
慰霊祭がおわったあとは、さらに気になるこちらへ。
「キリストっぷ」キリストの墓の目の前にあります。
土日の10時~15時まで営業っていう強気な営業時間です。
この半年で3回ほど挑みましたが一度も開いていることはありませんでした。
ここで働いているおばちゃんたちも超強気です。
お店の名前の由来について伺うと「キリストの前にストップだからキリストップなの!○○ストップは関係ないよ!」とのことです(笑)
キリストっぷには古文書手ぬぐいやキリストTシャツなどマニアの心をくすぐるキリストグッズがたくさん販売されています。お店自体がなかなか開いていないので、開いているときがチャンス!!!ぜひキリストグッズを手に入れてください。
おばちゃんのつくるじゅね(エゴマ)のくしもち、最高においしかった!
最後に、キリストっぷの中で見つけたこの張り紙が一番奇怪でした。
気になって仕方ないアナタ、キリストの墓を堪能しにぜひ新郷村へ。
(八戸都市圏移住コーディネーター・風間)