私の好きなあおもり

【あおもりびと発見!】りんご箱のストーリー生かし、地元産業に活力を

キープレイス株式会社代表取締役 姥澤 大さん(板柳町)

 

実家の資材倉庫をショールームに

 

JR五能線の板dsc_2699柳駅を出て左前方に、倉庫を改修したモダンな佇まいの雑貨・インテリアの販売店「mono HAUS」がある。姥澤さんが2013年にオープンした店で、実家のりんご梱包資材・木箱の製造販売会社の倉庫を改修した店だ。

 

昭和の雰囲気が残る駅構内の空間からはやや異質な佇まい。開放感のある大きな窓があり、りんご箱を積み重ねて什器に使う空間は、北欧のおしゃれな雑貨屋を思わせる。「なぜ板柳にこういう店を?」と尋ねると「よく言われるんですよね」と穏やかな笑みが返って来た。

 

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姥澤さんは2005年に埼玉県でインテリア商品を販売するキープレイス株式会社を立上げ、青森で家業を継がなければならないため、6年前に家族とともにUターンした。この店舗は、商品撮影用スタジオとショールームを兼ねた店舗として自ら設計。「欧米の先進国に比べると、日本は住環境でまだ及ばないが、地元で培ってきたりんご箱の技術とノウハウを生かし、インテリアや家具といった分野で提案したい」との思いだった。

 

そのおしゃれな店舗がメディアで取り上げられ、現在は津軽一円や秋田県北からも来店者が訪れているという。

 

「ラフで気軽に使える」をコンセプトに

オープン後、しばらくは仕入れの雑貨が多く、雑貨屋さんとして認知されていたというが、最近は自社商品の比率を増やしている。主力の商品はりんご箱を生活に取り込む視点から、重ねて自由にレイアウトできる天然木の木箱だ。

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素材としてスギ、マツ、青森ヒバの3種類があり、箱の大きさは通常のりんご箱サイズや、高さが半分のもの、小物入れサイズなど7種類を用意。全21種類という充実のラインナップだ。

 

使用されている木材はすべてカンナできれいに表面を削られ、りんご箱で想起される毛羽立った木材の無骨さは感じない。国産材を使っているという木目の持つ素朴さがどんなインテリアともマッチするため、個人のインテリア用途だけでなく小売店頭の販売用什器としても引き合いが強いという。

 

姥澤さんは「まだまだこれから。家具工房や建築家とコラボして、りんご箱のストーリーを生かした商品づくりを展開したい。もともとが箱屋なので、派生した商品を作ることに面白みを感じている」と手応えを語る。

 

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今後は、箱にオリジナルの文字を印刷または焼印を入れるサービスも展開予定。ワイン箱風の仕上がりとなり、デザイン性が向上する。姥澤さんはギフト商品等への展開も期待しており、「高級桐箱とは違う、もっとラフで気軽に使える、をコンセプトに展開したい」と意気込む。目指すはプラスチック製の箱からシェアの一部を奪うことだ。

 

「日本は森林大国であり、林業を語る上で適切な管理は必要。地元で間伐などでこまめに出る木材を、地元の箱屋が商品にし、価値を生み出して外貨を得る。これが地元産業に活力を与えることにつながると思っている。」

 

現在、町内のりんご農家とコラボしたギフトセット用の箱なども制作している。こぎれいな木箱に入った特選りんご数個のセットなどは、結婚式の引き出物などにも活用できそうな印象。「いろんなアイディアをもらえれば、コラボできる。ぜひ地元の箱屋を活用してほしい」。

 


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所在地:〒038-3661 青森県北津軽郡板柳町福野田実田30-5

電話:0172-72-1321

営業時間:10:00~17:00(水曜定休)

会社ホームページ: http://keyplace.co.jp/

 

通販サイト:

木のはこ屋 http://www.kinohakoya.com/

楽天サイト http://www.rakuten.ne.jp/gold/keyplace/

(編集部S)

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