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【タイムトラベルあおもり】003.幻の大間鉄道

下北半島の北部をドライブしていますと、風間浦の辺りから道路脇にコンクリート製の陸橋などの構造物が目に入ってきます。

 

廃線となった鉄道路線の大畑線が走っていた地域でもないのにと、不思議に思っていたのですが、地元で「幻の大間鉄道」と呼ばれる未完の鉄道路線の跡であることがわかりました。

 

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下風呂駅の一部として利用されるはずだった階段

 

歴史を紐解きますと、この路線は、戦前に下北半島の農林水産物及び大間にある海軍の物資運搬用として、むつ市の下北駅から大間までを結ぶ鉄道路線として計画され、第1期工事分として、1939年(昭和14年)に大畑線(下北駅~大畑駅)間が開通。

 

その後も工事が進められて終点の大間以外では駅も建設され、わずかな未着工部分を残すのみとなりましたが、1943年(昭和18年)に突如工事が中断、その後再開されることなく放置された路線だそうです。

 

風間浦村の下風呂温泉郷には、この資源を観光に生かそうとアーチ橋と遊歩道などが整備されています。そして地区にある下風呂公民館の目の前には、下風呂駅となるはずだった階段が今も現役で使用されています。

 

 

戦争に翻弄され、未完のまま終わった「幻の大間鉄道」。下北を旅する際に、道路端に眠るその歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。


幻の大間鉄道アーチ橋 「メモリアルロード」

住所:〒039-4501  青森県下北郡風間浦村下風呂下風呂1(下風呂公民館)

(編集部S)

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