私の好きなあおもり

地酒を常温で、燗で。食べ物とのマリアージュにも挑戦! 

【つながりましたレポート@青森】あおもりっていいなぁ交流会詳報

酒づくりの奥深さを学び、味わい、
「酒文化」をまるごと堪能

青森県内に爽やかな日本晴れが広がった10月1日(土)、「あおもりっていいなぁ県内交流会 青森ほろ酔い旅〜地酒×○○ご提案ツアー〜」をにぎにぎしく開催いたしました。

青森駅に集合した約20人の皆さまを貸切バスで待っていたのは、“酒の道”をご案内くださる山内史子さん(青森市出身、東京都在住)。紀行作家にして全国各地の酒を知り尽くし、「ニッポン『酒』の旅」のご著書を持ち、「いっとちゃん(日本酒を一斗も飲むから^^;)」と呼ばれる山内さん。

「日本酒は、食べ物との組み合わせで魅力がグッと広がります。ご自分の好みに合わせて実験してみることが一番。飲むことが修業です!ワタクシも率先して飲みます!」。車中に響く山内さんの力強い「地酒マリアージュの旅宣言」に胸ときめかせながら、まずは県内で最も古い酒蔵、板柳町の「竹浪酒造」さんへ。


出迎えて下さった17代目、竹浪令晃さんのご案内で蔵を見学させていただきました。江戸時代はじめから370年続く蔵で、米を蒸す大釡、酒を醸すホウロウのタンク、もろみを入れた袋を絞る木の槽(ふね)など、古いながらも現役で活躍する道具や酒づくりの苦労に関心しながら、みなさん熱心に見学していました。

試飲タイムには、岩木正宗の特別純米と純米吟醸をご用意。「燗酒向き」というだけに、錫のちろりで燗をつけ、参加者が差し出すおちょこや盃に「つーッ」とお酌。「こちらの燗酒は肉系に合います」とおっしゃる山内さんの提案により、竹浪さんが準備してくださったのは板柳名物のモツ焼き。「確かに、合う!」と方々から上がる声に、竹浪さんは嬉しそうな表情を浮かべていました。

続いて、黒石市へ移動し、14時からの“本番”に向けてレストラン御幸で軽く腹ごしらえ。しかし、ここでも“修業”が待っていました。
「岩木正宗、尾崎酒造さんの安東水軍は、濃い味、強い味を受け止める力があるので、ピリ辛のサモダシと味わってみて」
「サメのなますには安東水軍を合わせると、独特のサメの風味をものすごく上手に受け止めてくれます」
果ては、「kimoriシードルと鰊の切り込み」という突飛な提案をし、率先して飲み、味わう山内さん。「うん。切り込みを日本酒と合わせると高倉健みたいな王道な感じだけど、kimoriと合わせると洋風の風が吹いて、ディーン藤岡になります^^」
「え〜?!(笑)」と半信半疑で挑戦し、なるほど、マリアージュとはそのように楽しみ、そう“表現”するのかと深く納得する皆さまでした。


14時からは、いよいよ「黒石地酒まつり」に参入。中町こみせ通りのイベントステージでの開会式で「乾杯!」した後は、通りに開かれたブースを巡り、青森、秋田、岩手の22蔵から出品された約60種の地酒を味わいました。

15時からは、地酒まつりとタイアップした山内史子さんのトークショーがスタート。高樋憲黒石市長、鳴海醸造店の鳴海信宏代表取締役をゲストにお招きし、お酒とアテ、酒粕スイーツなどを味わいながら「地酒談義」を展開しました。以下、ダイジェストでご紹介。


山内:青森のお酒はすごく綺麗で奥ゆかしい。料理の横にすっと寄り添ったり、後支えしたり、県民性と一緒でとても優しい存在。首都圏の日本酒ファンの注目も高まっています。
鳴海:青森の水は軟水だから、柔らかく、のど越しがいい酒質に仕上がります。
市長:黒石は県内で唯一、「地酒で乾杯条例」があります。鳴海醸造店さん、中村亀吉さんが酒を造り続けてくれているから、市の誇りであるこみせ通りも残っています。最近は、酒粕の活用を考え、スイーツ作りにも取り組んでいます。
(ここで、お酒とスイーツ各種が登場)

山内:スイーツは食後に食べるイメージが強いですが、食中でもオッケー。純米吟醸のかすみにごりとクリームが、口の中でがっぷり四つになって、合います!
鳴海:私もいろいろ合わせてきましたけど、スイーツと合わせるのは初めて。でも、いいもんですね。抹茶クリーム大福にはうちの特別純米が合います。
山内:日本酒は幅広いものと合う反面、何も考えずにいただくことが多いかと思います。でも、「これとこれ、合うかな?」とちょっと工夫すると、より幸せが増すし、お酒の消費量も増しますよね^^
市長:米どころ黒石では、二つの酒蔵さんにご協力いただき、赤酢の開発にも取り組んでいます。米からお酒、酒糟、スイーツや酢へと商品化し、地域の活性化につなげていきたい。
山内:これからは燗酒も美味しい季節。日本酒の面白さは教えてもらうことで知ることができるし、「未来の飲ん兵衛」を育てるのも、私たちの使命。黒石のお酒も本当に美味しいので、わたくしもまだまだ飲みます!

 

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トークショー後も、参加時に配られた10枚の試飲チケットを使い切るべくブースを回り、地酒文化の深さをたっぷり味わったみなさま。お帰りのバスに乗り込んだ時には、ほろ酔い以上の気分の良さと「あおもりって、地酒っていいなぁ〜」の実感をお持ち帰りいただけたようでした。(小畑)

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