青函3半島固有の資源ヒバでつながる! 津軽海峡ヒバサミット
【つながりましたレポート@青森】
青森県の木に指定されている「青森ヒバ」。日本三大美林の一つに数えられ、抗菌・防虫効果を持ち、耐水性に優れたこの不思議な木は、ほぼ青森県の津軽、下北の両半島と、北海道の渡島半島の檜山地方にのみ分布しています。
この3半島固有の地域資源を活かし、地域間連携を図ろうという「津軽海峡ヒバサミット」が10月1日(土)、2日(日)の2日間にわたって、津軽半島の五所川原市で開かれました。
会場は総ヒバ造という五所川原市市浦地区(旧市浦村)のあすなろホール。
この地でかつて地域産業の中核だった林業を支えた「津軽森林鉄道」や、その遺構を訪ねるトレッキング「奥津軽トレイル」の取組について、基調講演が行われた後、3半島のプレーヤーの皆さんがパネルディスカッションを交わしました。
津軽森林鉄道について、覚えてらっしゃる方もだいぶ減ってきたようなので簡単に説明しますと、青森市沖館から外ヶ浜町蟹田(旧蟹田町)、そして中泊町中里地区(旧中里村)から五所川原市金木地区(旧金木町)までを繋いだ、国内最古にして、支線(枝線)も加えると最長の森林鉄道路線です。
津軽半島は、津軽藩の政策で青森ヒバを保護したため貯蔵量が多く、これに目を付けた明治政府が青森ヒバを切り出すために整備したのがこの鉄道です。津軽半島には木材搬出に使える大きな河川がなかったため整備された経緯があるのですが、木材だけでなく、沿線住民の貴重な移動手段として地域に親しまれてきました。
その津軽森林鉄道もトラック運搬が普及につれて輸送量が激減。1967年に廃止となります。しかし山中を縫うように整備された鉄道の遺構は現在も随所に見られ、風化しつつも、産業遺産としての威容を現代に伝えてくれています。
津軽半島では、この遺構を訪ねるトレッキングを「奥津軽トレイル」として商品化。ガイドツアーも開催しています。ご興味のある方はこちらを。
さて話はそれましたが、2日目はヒバの植樹が行われました。
金木の芦野公園の一角に、3半島から持ち寄ったヒバの苗木約30本を参加者の皆さんで植樹します。
会場には親子連れや、北海道の上ノ国高校の生徒さんも参加し、クワで穴を掘り、津軽森林管理署金木支所の皆さんの手ほどきで、一本ずつ手植えをしていきました。
ヒバの苗木をよく見ると、青森県のものと北海道のもので少し樹形が違いました。森林管理署の方によると、苗木の育成の仕方にもよるのですが、檜山のヒバはより寒冷な気候に対応して、多少形質に変化があるのかもしれない、とのことでした。
こういう発見も、それぞれが持ち寄って見て初めて気づくものですね。
いまはひざ丈ほどの苗木ですが、これが30年ほどたつと5メートルほどに育つとのこと。スギなどに比べると成長がゆっくりというヒバですが、やがてここがヒバの林になる日が楽しみですね。
(編集部S)