「幸せの門出」を全力サポート

首都圏等で活動する「あおもり~な」(青森思いの県人等)を紹介します
2015.9.24更新

「幸せの門出」を全力サポート

あおもり〜な 010 牧野亜希子 (まきの・あきこ)さん
  • 40代
  • 七戸町出身、昭和女子短大卒業
  • 東京都在住
  • ウェディングコーディネーター

イタリア旅行で見つけた「夢」

歴史漂う城下町・七戸に生まれ、自営業の両親の下、自然豊かな環境、穏やかな空気が広がる町で伸び伸びと育った。中学2年の3学期、新たな事業を考える両親の都合で、東京都港区の白金の中学校に転校。当時の白金はネジやバルブ、板金などの町工場が建ち並び、公共交通機関はバスしかない“陸の孤島”だったが、動き始めたバブルと連動し、現在の「シロガネーゼ」と呼ばれる高級感あふれるオシャレな街へと変貌を始めていた。

小学生の頃、青森県が主催するカナダでのサマーキャンプで約1ヶ月の短期留学を経験。カタコトの英語でも、金髪・青い目のホストファミリーと会話できることが楽しくて、「もっと英語を学びたい!」と思っていたため、英語教育に熱心な高校へ。アメリカの大学に留学しようと考えた矢先、バブルがはじけた。家計に陰りが差して留学話は泡と消え、昭和女子短大で勉強しながら学資をバイトで稼ぎながら強く思った。「浮き沈みのある自営業は大変だから、サラリーマンになる!!」

サラリーマンの毎日はそれなりに楽しく、社会人としての勉強もできたが、常に「何かが足りない。何かが違う」と感じていた。悩んだ末に一念発起し、3年間で300万円貯金して退職すると、ファッション業界、ワインや食の分野で話題になっていたイタリアへ飛んだ。あてもなく3ヶ月ほど、ローマから始まり、ナポリ、シチリア島など歴史スポットを巡る間に、何度も結婚式の場面に出会った。「どこから来たの?今日は結婚パーティーだから、あなたも楽しんでいったら?」。人懐っこいイタリア人が、教会で、個人宅の庭で、ウエディングの最中に声を掛けてきた。飛び入り参加させてもらうと、美味しいワインを片手に、心からウエディングを楽しみ、祝う美しいシーンが感動的で印象に残った。「こんなウエディング、ステキだなぁ」。旅の中で、そんな思いが高まった。

国内外のウェディング事情をリサーチ

帰国後は、旅の途中で見つけた「夢」を実現するために猛スピードで動いた。結婚式、中でも開放的な雰囲気が魅力的な海外ウェディングの仕事をするため、大手旅行会社に就職。バブルの余波も落ち着き、国内企業のパイオニアが海外ウェディングを手掛け始めた頃で、自身もハワイ、オーストラリア、バリ、タヒチなどの現地に出張し、渡航事情や各地の結婚式関連の情報を集めた。国内においては、主要駅近くに設置された「結婚式場紹介所」で式場やウェディング情報を得ることが当たり前の頃だっただけに、紹介所への異動も希望。ベテラン紹介員の下で結婚を考える若いカップルの希望をかなえる式場の選び方、勧め方、下見をする際のホテルとの連絡の取り方などを現場で体験した。

ウェディング業界のトレンドは変化が早い。長く主流だったホテルウェディングは、オークラ、オータニ、帝国の御三家から、パークハイアット東京、ウェスティンホテル東京、グランドハイアットの新御三家へ人気が移り、100人、200人の招待客数が当たり前でスモークやゴンドラでの登場といったゴージャスな演出から、50人ほどでお祝いするレストランウェディングが好まれるようになるなど、多様化が進んだ。10年ほど勤める間に、企業が多くの専門スタッフを抱え、分業で進める式のあり方や、「大安だから1日25組のお式を」といった企業側のマネジメント重視のスタイルに対する疑問が大きくなった。「イタリアで見たような、家族や友人が温かく門出を祝う結婚式を作りたい」。そんな「夢の形」がハッキリ見え、32歳で独立を決めた。

家族の愛、絆を確かめる時間を丁寧に演出

二人の門出を祝う「サルーテ(イタリア語で「乾杯」の意)」を社名に冠し、住み慣れて、友人も多い南青山に2002年、ウエディングサロン「Dream Wedding」をオープンした。ティアラやネックレス、花飾り、ウエディングドレスを揃えたサロンでカップルと顔を合わせて、予算、式のスタイル、会場、食事、衣装、そしてお互いや家族への思いを丁寧に聞く。当日の写真撮影やヘアメイクなどをサポートしてくれる外部スタッフはいるが、基本的に一人で準備から当日の進行まで務める。

結婚は、娘を送り出し、独り立ちして家庭を持つ息子を見守るご両親にとっても大切なセレモニー。愛情と寂しさと嬉しさと、悲喜こもごもが交錯し、家族の絆を確認する大切な時間だ。新郎新婦の不安を取り除き、関わるすべての人が喜びと笑顔で門出を祝う場を作るには、準備を始めた日から当日まで、すべてを理解した担当者が付き添うべきだと考えるからだ。

海外ウェディングは、明るく開放的な景色の中、ゆったりしたスケジュールで家族や友人とかけがえないひと時を作れるのもメリット。明るい日差し、青い空と海が広がるハワイは、やはり人気が高い。現地の信者が集う正式な教会での式を勧めている。「信者さん達が毎週通う教会はハワイアンスピリッツが満ちていて、新郎新婦や参列する皆さんに喜ばれます」。「リ・バウ」と呼ぶ両親のアニバーサリー・ウェディングを滞在中に行い、育ててくれたことへの感謝の気持ちを表すカップルもいる。

ますます多様化、個性化するトレンドは把握しながらも、奇をてらったサプライズより、本当の感動がしみじみ広がる式で門出を祝いたいと考える。「海外では教会など信仰する宗教で誓いを立て、自宅でパーティーをするなど、生活に近いかたちでお祝いします。日本でも昔は自宅の座敷で婚礼の式を挙げ、宴をしていましたし、子どもの頃に七戸でもそんな景色を見ました。白無垢で、神社で式を挙げる日本的な格式と伝統のある式も大事に伝えていきたい」

「結婚式は愛や絆の深さを実感できる、人生で一番ピュアな尊い瞬間。幸せなカップルが発するハッピーオーラで、私自身も幸せな気持ちでいっぱいになります。感動やドラマに包まれた人生最高の瞬間をご一緒できる仕事をさせていただき、お客様には感謝しかありません」。これからも「LOVE & PASSION」を忘れずに、サポートを続けて行くつもりだ。

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「次は、津軽のりんご農家を支援する会社を経営しつつ、AOsukiの会会長としても活躍している黒石市出身の須藤公貴さんです」(牧野さん)

<2015年7月27日 インタビュー>

 

編集後記:“幸せ請負人”のパワーは「青森愛」に支えられていた!

自営業を一度は避けながら、見つけた「夢」に向けてキャリアを重ねた結果、経営者となった牧野さん。“幸せ請負人”といった仕事柄のせいか、穏やかな語り口で、話しやすい雰囲気を作るのがお上手です。

実は、仕事の話に勝るとも劣らない“熱さ”で、故郷・七戸の思い出や青森県に寄せる思いを語ってくださいました。姫竹の煮付けや山菜のミズが大好きでよく作ること、おばあちゃんが作る漬物が大好きなこと、帰省すると大好きな県産品を大量に買ってきては友達に配っていること…。東京に住んで約30年経っても変わらないふるさとへの思いが、日々の暮らし、仕事のエネルギーになっている様子が伝わってきました。

首都圏に住む青森県出身の経営者たちによる「AOsukiの会」にも役員として参加。今年5月、修学旅行で上京した青森西中学校の生徒達に経営者、社会人が自らの体験談などを座談会形式で伝える「フューチャーズゼミ」をAOsukiの会が開催した際には、スピーカーの一人として出席した牧野さん。好きな英語が視野を広げ、海外の仕事でも役に立ったことや、回り道をしたけれど、すべての経験が今の仕事に役立っていることなどを紹介し、「得意なこと、楽しいこと、好きなことを見つけて、ぜひ続けてみて下さい。きっと未来の自分につながるよ」と、語りかけたそうです。

よくよくお話を伺うと、表に出ない部分で首都圏と地元をつなぐ方策を考え、動いていらっしゃることも多いようで、あふれる「青森愛」がビシバシ伝わってきました。「自分たちのネットワークを活用して、シャイでアピールが苦手な青森の人たちを応援したい。青森に帰るたび、他の地域のことが知りたくてあちこち出掛けています。青森は大好き!」。青森応援の輪をどんどん広げていく姿勢を、とても頼もしく感じました。(編集・小畑)

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